VRMとは、VRアプリケーション向けの人型3Dアバター(3Dモデル)データを扱うためのファイルフォーマットです。VRMは、glTF2.0という汎用的な3Dモデルフォーマットをベースとしており、誰でも自由に利用することができます。
VRMは、3Dアバターの外見や表情、ボーン構造、物理演算、剛体などの情報を一つのファイルにまとめることができるため、様々なVRアプリケーションで簡単にキャラクターを移植することができます。
VRMは、これまでのゲームと違って企業に所有権が無いため、各自が自分で著作権を持つキャラクターを管理する技術です。
ゲームでは、キャラクターはゲーム内で作成されたり、ゲームによって決められたりしますが、VRMでは、自分で好きなキャラクターを作成したり、他の人から配布されたキャラクターを利用したりすることができます。
また、VRMはオープンソースのファイル形式なので、様々な異なるゲームや、プラットフォームで同じキャラクターを使うことができます。
これにより、自分のオリジナルキャラクターやお気に入りのキャラクターを自由に移動させたり、表現したりすることができます。
VRMは今後具体的な制作などシリーズで扱っていく予定です。
VRMの作り方
引用:VRoid Studio
VRMファイルを作成するには、まず3Dモデルを用意する必要があります。
3Dモデルは、自分で作成するか(あるいは製作依頼をして作ってもらうか)、他の人が作ったモデルを(購入するか、無料で貰うなど)製作者が付与したライセンスの元利用することになります。
VRMはVRoid Studioという無料のパソコン用ツールを使って簡単に作成することができます。
機能は大幅に削られますが、VRoid Mobileというios/Android用モバイルツールもリリースされているので、こちらは更に簡単に作成することが可能です。
VRoid Studioでは、パラメーターやブラシを使って自分好みのキャラクターをデザインしたり、服や髪型などを選んだりすることができます。VRoid Studioで作成した3Dモデルは、そのままVRMファイルとしてエクスポートすることができます。
もちろん、他のツールで作成した3DモデルをVRMファイルに変換することも可能です。
VRoidでは物足りない人、二足走行にはなりますが動物型モデルや、全てを自作したい人にはこちらがお勧めです。
その場合は難易度が上がりますが、UniVRMというUnity向けのライブラリを使って、3Dモデルに必要なメタデータや設定を追加してからエクスポートします。
(今回の記事では割愛させて頂きます。)
VRoid HubでVRMモデルを探す
VRMを作るのが難しい人にお勧めなのが、VRoid Hubで3Dアバターを見つける事です。
実際のところ3Dモデルを作るのは難しいと言う人も多いのではないでしょうか?
そんな人におすすめなのが、VRoid Hubです。
VRoid Hubとは、pixivが運営する3Dアバターの投稿・共有サービスです。VRoid Hubでは、自分で作った3Dアバターをアップロードしたり、他の人が作った3Dアバターをダウンロードしたりすることができます。
ダウンロードした3Dアバターは、VRMファイルとして保存されるので、そのままVRやVTuberのアプリで使うことができます。
VRoid Hubには、さまざまなジャンルやスタイルの3Dアバターがあります。オリジナルキャラクターや版権キャラクター、リアル系やトゥーン系など、自分の好みに合った3Dアバターを見つけることができます。
また、3Dアバターには、作者が設定した利用条件があります。利用条件に従って、商用利用をすることも可能です。
VRoid Hubは無料で利用できます。pixivアカウントがあれば、すぐに登録できます。
VRMの活用方法
VRMファイルを作成したら、どのように活用できるでしょうか? VRMは、主に以下のような用途で利用されています。
バーチャルYouTuberやバーチャルライブ配信:
VRMファイルを使って、自分の好きなキャラクターになりきって動画やライブ配信を行うことができます。顔や体の動きをトラッキングしてキャラクターに反映させたり、音声認識や音声合成を使ってキャラクターに話させたりすることができます。
例えば、ニコニコ動画やYouTubeなどの動画共有サービスでは、多くのバーチャルYouTuberがVRMファイルを使って活動しています。
バーチャルコミュニケーションやバーチャルSNS:
VRMファイルを使って、自分の分身としてオンライン上でコミュニケーションや交流を楽しむことができます。
例えば、clusterなどのバーチャル空間では、自分の好きなキャラクターになって他の人と話したり遊んだりすることができます。
引用:メタバースプラットフォーム「cluster」
バーチャルリアリティメタバース:
VRMファイルを使って、仮想現実の世界を自由に移動したり、様々な体験をしたりすることができます。
メタバースとは、現実世界と仮想世界が融合したような次世代のインターネット空間のことで、FacebookやMicrosoftなどの大手企業が力を入れて開発しています。
VRMは、メタバースで自分のアイデンティティや表現力を高めるための重要な要素となると考えられています。
VRMの今後の展望
VRMは、VRアプリケーション向けの人型3Dアバターの標準フォーマットとして、ますます普及していくと予想されます。VRMは、オープンソースで開発されており、誰でも自由に参加することができます。
VRMコンソーシアムという組織が設立されており、VRMの技術仕様やライセンス規約などの策定や普及に取り組んでいます。
VRMコンソーシアムには、ドワンゴやpixivなどの企業や団体が参加しており、VRMの発展に貢献しています。
VRMは、VRだけでなく、ARやMRなどの拡張現実技術とも相性が良いと考えられます。
将来的には、現実世界に3Dアバターを投影したり、3Dアバターと対話したりすることができるようになるかもしれません。
また、AIや機械学習などの技術とも組み合わせることで、3Dアバターをより自然に動かしたり、感情や個性を持たせたりすることができるようになるかもしれません。
VRMは、今後メタバースの基礎となる技術です。自分だけのオリジナルキャラクターを作成して、様々なVRアプリケーションで活用してみましょう!
関連情報:リコ社長の自作VRMモデル
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